拝観 勝林寺由緒
京都 臨済宗大本山東福寺 塔頭 毘沙門堂 勝林寺 創建1550年の古刹にぜひお参りください。
臨済宗大本山東福寺は、嘉禎二年(1236)に関白九條道家の発願により、藤原氏の氏寺として栄えていた法性寺内に伽藍を建立したことに始まる。東福寺の寺名は、東大寺・興福寺の奈良の二大寺から一字ずつ取ったもので、二十年近くの年月をかけ京都最大の大伽藍を造営し、開山に聖一国師(円爾弁円)を迎えた。その後相次ぐ火災のため、初期の伽藍の大部分を焼失するも、そのたびに見事な復興を遂げ、京都五山列せられるに相応しい名刹となった。勝林寺は東福寺の塔頭寺院の一つで、天文十九年(1550)に東福寺第二百五世住持であった「高岳令松」禅師によって、勝林庵として創建された。本山東福寺の鬼門(北方)に位置し仏法と北方を守護するところから、「東福寺の毘沙門天」と呼ばれている。
本堂は大檀那であった近衛家の大玄関を移築したもので、境内には一切経を埋めた石塔が建つ。数々の絵画・仏像を有し、とりわけ毘沙門堂としての正統性を証明するべく、本尊の秘仏毘沙門天立像をはじめ、他に例を見ない珍しい毘沙門天曼荼羅や、迫力に満ちた虎の大襖絵などが伝わる。また春には、後桜町天皇が御参拝に来られた時に中興開山「独秀令岱」禅師が植樹された「皇桜」、秋には、その紅葉の美しさから「吉祥天」宿ると伝わる、「吉祥紅葉」はもとより庭園には、四季を通じて美しい花々が咲き参拝者の目を楽しませてくれる。